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2006 01,26 00:01 |
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エドは右手の痛みで目を覚ます。
身を起し周りを見る。自分には毛布がかかっており、目の前には焚き火が焚かれていた。 ふと左肩に重さを感じ見るとそこには金髪の女性がエドの肩に寄り添って寝ていた。 「あ~、え~と・・・・・まぁ・・・・・・。」 そのことにうろたえたエドだがゆっくりと頭の中を整理して深呼吸・・そして金髪の女性・・鎧姿ではなく村人の姿に変わっているスクルド(睡眠中)の肩を掴み大きく息を吸った。 そして・・・・・、 「てめぇぇぇぇ、なに人の肩を枕代わりに寝てるんだぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」 「うるさい、毛布がひとつしかないんだ。後でお前が疑問に思ってることを全て話してやる、私はまだ眠い、睡眠の邪魔をするな、以上。」 「い、以上っておまえ・・・・、ってもう寝てるよ、コイツ。」 しょうがないのでスクルドを起さないように街の方を見ると煙は上がっているものの占領は免れているようだった。 「化け物の軍団は退けたようだな・・・・・・、よっぽどいい軍師がいるんだろうな、エルベンシアには。」 エドは何気なく自分を起こした痛みの元である右手を見る・・・そして。 「お宝が俺の手にめり込んでいる?いや完璧に体の一部になってるな、ハハハハ・・・・・ってなんだよこれは!?オイ、起きろ!!」 エドによって起こされたスクルドは眠そうに目を擦りながら言う。 「お前はドラゴンオーブに選ばれたのだ・・・・・それだけの・・・・・すぅ~・・・・こと・・・すぅ~だ・・・・すぅ~・・・お前はドラゴンオーブの力を借りて・・・すぅ~・・・オークの部隊を全滅させただろう?・・・すぅ~」 首を横に振って目を覚まし喋って寝そうになる・・を繰り返しながらスクルドは言うのでとてつもなく聞きにくくエドが“わかった”というとすぐに寝てしまった。 結局スクルドが起きたのは太陽が昇りきった正午だった・・・・・。 「で、いつになったら話してくれるんだ?」 エドの問いを完全に無視して村人姿からエドが初めて見たときと同じ紅い鎧を着てスクルドは歩みをエルベンシアへと進める。 “はぁ~”とため息をつきながらエドは仕方なくスクルドの後を歩く。 「どこへ行く気だ?」 「エルベンシアに戻る・・・・・、飛ぶぞ。」 「へ?・・・・うわっ!!」 スクルドはそう叫ぶエドの腰に手を回し、翼を羽ばたかせ空へ飛び立つ。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なぁ、アンタ名前は?天使?」 しばらく初めてのスクルドに抱えら、空からの眺めに驚きをもって黙っていたエドが口を開いた。スクルドも飛びながら答える。 「スクルド・・・・・正確に言えば堕天使だ。堕とされる前、天界では未来を司ると言われていた。」 「なんで堕とされたんだ?」 「主神の意向に反対したから・・・・・だ。」 そう言ったスクルドの表情は少し悲しげだった。そんな会話をしているうちにエルベンシアの街並みが見えてくる、そして城壁を飛び越え街並みを眼下にしながら飛び、やがて城が・・・・・・。 「城に行くのか・・・・?ん?城から煙が・・・奇襲か!?」 「行くぞ!!」 「え?行くって、ちょ、ちょっとまてぇ!!」 スクルドは剣を抜き城の窓に向けてエドを投げる。エドは窓を割り城の中に何とか着地し その後を追ってスクルドもゆっくりと着地する。 「あ~スクルド・・・・どういう目的でここに来たのかはしらねぇけどさ、着地場所間違えたんじゃねぇか?」 二人が降り立ったのは王座のある広間・・・そして眼帯で片目を隠した若き王を守る衛兵達と城に襲撃を仕掛けた張本人らしき兵士達の間だった。 スクルドが漆黒の翼を広げると、城を襲撃した兵士達も白い翼を広げた、天使兵と呼ばれる天界の兵士だった。 スクルドは無言でグラン・スティングを構え天井高い広間で飛び立つと天使兵達も飛び立ち一気にスクルドに襲い掛かる。エドはうろうろとした後呆然としていた衛兵達に王を奥に避難させるように言う、衛兵は急いで王を奥の部屋へと避難させて行った。 そんな中一人の天使兵が急降下しながらエドに接近してくるのでエドはナイフを構えるが 「クッ!!」 天使兵の攻撃を受けきれずに吹き飛ばされナイフも弾き飛ばされる。倒れたエドに向かって天使兵が追撃を加えようと再び空中から急降下してくる。 思わずエドが右手でガードしようとした瞬間右手に紅い大剣が現れ、天使兵の斬撃を弾く。 天使兵は驚きながらもう一度飛び上がり急降下で再び襲ってくる。 「オラァ!!!!」 普通なら人一人では持ち上げられないような大剣を軽々と横に薙ぎ天使兵を切り倒す。 「なんだ、この剣、どこから出てきたんだ?しかもめっちゃくちゃ軽い!!」 一人がやられたことでスクルドに向かっていた天使兵の半分がエドに襲い掛かる。 エドは低空でくる天使兵に真正面から突っ込み剣先で地面を削りながら斬り上げ一人を真っ二つに斬り倒す。あおして剣を握っていない左手で続いてきたもう一人の天使兵の頭を掴み地面に叩きつける。 「ハハッ・・・ハハハハハ♪」 エドは自分の左手に付いた天使兵の血を見ながら笑っていた。よく見れば天使兵を斬り捨てている大剣を持つ右手のドラゴンオーブが光っている。 「まずいな・・・・・制御しきれていない。暴走か・・・・・。」 スクルドは自分に向かってきた天使兵を倒し、エドに近づくとエドはスクルドにまで向け大剣を振り回す。エドの目はオーク部隊を全滅させたときのように金色になっていた。 スクルドは軽い身のこなしでエドの斬撃をかわし、懐に入り込みエドの額に指を当てる。 するとエドの額に当てた指先が光りエドの体からドンドンと力が抜けていく。そして・・・ 「あれ・・・?俺は?」 「自分をしっかり持て。でないとドラゴンオーブに意識を飲まれて関係ない奴らもこのようにしてしまうぞ。」 周りにはエドに無残に斬られ絶命した天使兵の遺体が転がっていた。エドは思ったよりショックも受けていないようだったが頭を抱え少し呆れ気味に呟いた。 「あ~、意識がどうだとか、飲み込まれるだとかよく分からないんだがよ、スクルド。この状況どうするよ?」 そう、エドとスクルドは数十人の衛兵に槍を突きつけられ囲まれていた。 PR |
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コメント |
こんにちは。
「落ちし戦乙女」読ませていただきました。 まだミステリアスなスクルドに魅力を感じますね。物語の先が楽しみです。 それでは。 P・S(北欧神話はぼくも好きです。) 感想ありがとうございます。
スクルドは悲しい女神を目指して書いています。 北欧神話を掠めながらオリジナルストーリーで書きたいと思っています^^ これからも感想頂けると嬉しいです。 それでは失礼します。 |
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