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2006 01,27 23:51 |
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「で、牢に逆戻りってわけか・・・・・クソウ。なぁ、スクルド。」
「なんだ?」 牢の中、鉄格子越しにエドが問いかけると隣の牢からスクルドの声が聞こえた。 「そろそろ教えてくれないか、このドラゴンオーブの事やアンタが今しようとしてる事を・・・・。」 “ふむ”と少し間を空けた後、スクルドは静かに話しを始めた。 「この世には三つの世界がある。主神であるオーディンが支配する天使の世界・・・・天界、ヘルが支配するオークなどの愚者の世界・・・・冥界、そして人間達の世界・・・地上。この三つの世界のパワーバランスを保つための宝玉が三つ。天界の鳳金玉【フェニックスオーブ】、地上の竜紅玉【ドラゴンオーブ】、冥界の鮫蒼玉【シャークオーブ】だ。お前自身で経験しているとは思うがこの三つの宝玉は凄まじい力を持つが扱いをひとつ間違えれば肉体が乗っ取られ、また世界を滅ぼしかねない。」 「確かに意識がなくなることが・・・・・・・・・・。」 エドは驚いたように自分の右手にあるドラゴンオーブを見る。 「それだけではない、この三つの宝玉は生物に寄生する。そしてその強大な力を宿主に与える代わりに宿主の生命を削り取っていく。」 「なっ!?つまり俺はコイツの力を使うたんびに寿命が縮んでしまうってことか!!」 ドラゴンオーブをムリにでも取ろうとエドは右手の甲を引っかき始める。 「言い忘れてたが一旦寄生したら死ぬまで解放されないぞ。」 「それを早く言えぇぇぇぇぇ!!!!右手が血だらけになっちまった!!」 「フフフ、お前バカだな。」 「バカじゃねぇよ、というかアンタ今笑ったか?」 スクルドは“気のせいだ”と言って再び黙ってしまう。 「まぁ俺の右手にあるドラゴンオーブのことはいいとして・・・・・お前は何が目的なんだ?」 「・・・・・・・これに関しては聞けば私に付き合ってもらう事になる、いいのか?」 「いいよ、ここまで来たんだからな。付き合ってやるよ。」 「・・・・・・・・・わかった。ならば話そう。まずは私の落とされた理由から話そう。 私を地上に落としたオーディンは強大な力と知略で主神へと上り詰めた神だ。しかし力に対する欲が強すぎた。フェニックスオーブの力を得てからオーディンはさらに力を欲するようになった。そして目をつけたのがドラゴンオーブだ。冥界のヘルと取引をしたオーディンはヘルから借りた冥界軍と天界軍に地上進行と地上にあるドラゴンオーブ他神具と呼ばれる神の造った強力な武器、宝具の回収を命じたが・・・・・・・・・・私は反対したんだ。」 「んでもって反対したから地上に落とされたっと言うわけだな?」 「ああ、なんせ私は主神を馬鹿呼ばわりしたからな、当然といえば当然だ。」 エドはスクルドのその言葉におもわず頭に手をあて苦笑する。 「主神って俺たちで言えば王様だろ?よく言ったねぇ~」 「私は正直がとりえでな。話を戻すぞ。最終的に私の目的は3つ、転生して地上にいるヴァルキュリア達を目覚めさせ仲間にし、天界冥界混合軍の侵攻阻止、神具の回収とドラゴンオーブの守護をしようとしている。」 「ちょっと待て。転生して地上にいるヴァルキュリアってなんだよ?」 「そうだな・・・しいて言えば地上に時たま出てくる冥界の愚者を処理している天使だな。私もそうだった。この任務はかなりハードでな、26人いるが13人づつ100年交代で処理に当たり、担当していないときは人間に転生し魂を休息させるのだ。」 「なる・・・。」 「なるほどねぇ~、つまり僕達の味方だと思っていいんだね?なんちゃって~」 「うわっ!?あんた誰だ!?」 スクルドとエドの牢の前に一人の男が立っていた。眼帯をつけた見覚えのある顔。 「この国の王だよ、名前はラル。転生前の名は、ヘルヴォル・アルヴィト、軍勢の守り手と言う意味の名だよ。久しぶりだねスクルド。」 ラルと名乗った王はまずスクルドの牢の鍵を開ける。するとスクルドは牢から出ながら口を開く。 「目覚めていたのか、ヘルヴォル。」 「ああ、と言ってもあんた達が僕の目の前に現れた時だがね。ん~、転生して男になるというのも新鮮だねぇ~♪」 「へ?どういうことだ?男?」 ラルはヤレヤレと言った表情でエドの鍵を開けエドの疑問に答える。 「僕達ヴァルキュリアは基本性別は女・・つまり女神の部類に入るのさ。ただ転生して人間になったらそんなもの関係ないからね、転生した人間が男である場合もあれば女である場合もあるんだ。まぁ転生しても僕みたいに天使の時の記憶がよみがえる奴は少ないからあんまり関係ないけどね。」 「私に協力してくれるのか?ヘルヴォル。」 “ん~”とラルは軽く悩みニコッと笑う。 「いいよ、まぁ腐っても今、僕はこの国の王だ。国民を守る役目があるからね。逆に協力もしてもらうよ、現在再び冥界天界混合軍がこの国に接近中だ。」 「よかろう、協力しよう。この国が私達の拠点になりそうだしな。」 「私達?彼をパートナーにする気なのかい?スクルド。」 笑いながらラルは牢屋の出口へと二人を案内する。 「先ほど私に付き合うという契約で私の過去とこれからやることを聞いたのだ。これからこき使ってやるのさ。なぁエド?」 「なんかすっげぇ後悔の念が沸いてきたよ・・・・・・・・・・・。」 頭を抱え苦笑しながらエドはスクルドとラルの後をついて行った。 PR |
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