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2006 01,24 00:34 |
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「だから俺はやっちゃいないって!!出してくれよ!!」
エドは牢の鉄格子を掴み、叫ぶが誰も反応しない。エドは諦めたように壁に寄りかかる。 「はぁ~あ・・・・にしてもせっかく手に入れたお宝もリュックごと取り上げられちまうし・・・・・。」 そう、スクルドが飛び去った直後に王室へ衛兵がなだれ込んできてあっという間に捕まり衛兵殺しの罪で捉えられてしまったのだった。 エドは再び深いため息をつき頭を押さえる。 「やっぱり死刑かな・・・・・・・・・・・トホホ。」 その時、ドサッと人が倒れる音がするので鉄格子越しに通路を見ると牢番の兵士が倒れており、その横には王室で見た金髪の紅い鎧を着た女・・・スクルドが立っていた。 スクルドはユックリと歩みを進め、エドのいる牢の前で止まる。 「おい、あんたはいった・・・・・」 「ドラゴンオーブはどこだ?どこへやった?」 「しるか・・・・あのお宝はリュックごと衛兵に取り上げられちまった!!」 静かな口調でいきなりそう聞かれエドは語気を強めて言うと“そうか”と言い踵を返し牢屋から出て行こうとする。 「ちょっとまてよ!!」 「・・・・・・・なんだ?」 エドが叫ぶとスクルドは足を止め迷惑そうな顔をしながら振り返る。 「あんたや、俺を襲った兵士・・あのお宝は一体何なんだ!?」 「お前の知る必要はない・・・・・。来たか・・・・・。」 スクルドがそう言って牢屋の天井を見つめた瞬間、その場に激しい揺れが襲う。 「ッ・・・・・・・・・・・・・・・・な、なんだ!?」 牢の小さな鉄格子の入った窓から外を見ると城壁の部分に煙が上がっておりその向こうに はオークたちの軍団がもう間近まで近づいていた。 ふとエドが窓から通路に視線を戻すとそこにスクルドはおらず、一枚の黒い羽が落ちているだけだった。エドは黒い羽を拾いなんとなくそれを懐にしまう。すると兵士が数人牢屋に入ってきて牢の鍵を開けていく。そして全部の牢の鍵を開け終えると兵士は叫んだ。 「この国はこれから戦いの場所となる、貴様らを監視している暇はない!!よって釈放とする!!さっさとこの国から出て行くがいい!!」 それだけ言って兵士達は走り去ってしまう。エドはやれやれといった顔をして牢屋見張りの机の下にまとめてある囚人の私物の中から自分のリュックを探し出し中を見る。中は不思議な事に探られた様子は無く紅く光る水晶も入れたままであった。エドはリュックを背負って他の囚人達を連れそって城を後にした。 「さて、どうすっかなぁ~」 エドはそう言いながら街を出て坂道を登る・・・後ろを見るとすでに城壁付近で戦闘が始まっているのがわかった。 「命あってのものだねだぜ、まったく。」 そう言ってエドが視線を前に戻した・・・・その時隣を歩いていた囚人だった一緒に脱出した男達がいきなり倒れる。 「なっ!?」 倒れた男たちへ目を向けると倒れた男たちの胸には矢が刺さっていた。 エドが再び前を向くと坂の上で数十匹のオーク弓兵部隊が弓を構え、そして・・・・。 「え?」 エドが疑問の声を上げ自分の左胸を見ると矢が深く突き刺さっていた。足に力が入らなくなり倒れる。その拍子でリュックからドラゴンオーブが転がり落ちる。 ゆっくりとオーク達が倒れたエドの方へと歩いてくるのを薄れゆく視界で捉えつつエドは最後の力を振り絞り右手で転がっていたドラゴンオーブを掴んだ・・・・・、 ”死にたくない・・・・死にたくない・・・” 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 エドはドラゴンオーブを握った瞬間何かが握った右手から流れてくるのを感じ、そして叫びながら立ち上がる。よく見ると立ち上がったエドの右手の甲にドラゴンオーブが融合しており・・・・目の色が伝説の怪物・・・ドラゴンと同じ金色になっていた。そして背中にはまさしくドラゴンの翼。エドは無言で右手をかざすと何もないところから紅の大剣が現れる。 それを両手で握ったエドはオーク達に突っ込んでいく。オーク達は一斉にエドに向け矢を放つがエドは大剣で薙ぎ払い、叩き落しながらスピードを緩めず突っ込んでいき、横薙ぎ。 十匹ほどのオークがまとめて上半身と下半身を真っ二つに切断される。そして凄まじい衝撃波が起き他のオーク達も吹き飛ばし、オーク達は木や岩に激突して絶命する。 「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・・・。」 十数分後・・・・、オーク弓兵部隊の死体の山の中心にエドは荒い息をしながら立っていたが意識を失いそのまま倒れてしまう。ドラゴンオーブと呼ばれた赤水晶はエドの右手に融合したままだったが、目の色は元に戻り翼も無くなっており胸の傷は治っていた。 気絶し、倒れているエドの隣に降り立つ影があった。スクルドだった。スクルドは気絶しているエドを見ながら悲しそうに呟いた。 「この男を苦難の道に引きずり込もうというのか・・・・竜紅玉【ドラゴンオーブ】よ。」 スクルドの言葉にエドの右手に融合しているドラゴンオーブが答えるように点滅した。 PR |
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